「娚の一生」 西炯子
まずテンポの良さが目立った。
私はべたべたな恋愛漫画があまり得意ではないのだが、この作品は胸焼けせずに読むことができたので男性の方でも読みやすいと思う。
それでいて随所に入れ込んでくる海江田さんの渋さ・格好良さが素敵だった…。
ところどころ「不倫」とか「浮気」といった昼ドラ要素があったがそれもしつこくなくリアルでよかったと思う。
主人公の親友のお話はこれからどうなるのかとちょっと心配になったが…(最終巻でもどんな結末になったかは記載されていなかった)
正直主人公がハッピーでいてくれたらいいか、という思考の持ち主なのであまり深くは考えない。笑
ご想像にお任せするというやつなのでしょうか。
主人公の恋愛遍歴や海江田さんとの年齢差、面倒くさい性格(笑)などなど全部含めて海江田さんに愛されているのがすごく好きだった。
最終話の幸せそうな風景を見ると微笑ましくてたまらなかったです。
「このままずっと幸せに暮らしてくれ…」って思いました。笑
作者さんはきっと細部までかなりこだわりを持っていらっしゃる方だろうと、設定も作りこまれているのが感じられて伏線もさりげないしで爽やかに感じられた。
(安易に読者を不安やもやもやとした気持ちの勢いを使って次話を読ませようとするような書き方はあまり好きではないのです…)
結構大きな要素として海江田さんと「子供」とのかかわりがテーマに添えられていたのかと思うが海江田さんの子供への接し方がそのまま彼の子供時代の感情とリンクしているのだと感じて…少し切なかったです。
でもずっとしんどい、とか暗い気持ちになる!とかそんなことが決してないのが作者さんのすごいところで夢中になって読み切ってしまいました。
他にもいいな、と思ったのが私は一巻を読むのがすごく早いんですけども「娚の一生」はコマが小さめで読むのに時間がかかりやすい!笑
スッと読み切ってしまわないところが好きです。
好きな作品ほど「残りのページ数これだけか…もっと読んでいたいのに…」と考えて、もったいなくて次のページに進めない…と思ってしまうんです。笑
これあるあるなんですかね?
吹き出しの外に書いてある手書きのセリフも読んでいて楽しくなるし割と難しめな言葉が使われていたりして少し小説を読んだ時のような読了感があります。
良かったところを書き出していたらだらだらとなってしまいましたが、全4巻と読みやすい方なので長編が得意ではない方にもおすすめです。
最後にまとめ↓
こんな方におすすめ!
- THE・少女漫画が苦手な方
- 落ち着いた日常感がある漫画が好きな方
- 普段漫画を読まない方
- 会話のテンポが良い漫画が好きな方
- ちょっと考えさせられる漫画を読みたい方
- さくっと漫画が読みたい方
良かったら読んでみてください。
かなり好きな作品の一つになりました^^